2014年8月17日日曜日

石膏デッサン : 「髭の男」を描く


画家を目指して修行中のK,hさんが、いよいよ「髭の男」に挑戦されました。その制作過程を紹介します。

(「髭の男」の像については、2013年9月18日のブログでも紹介したので、そちらの方もご覧下さい。)
















最初に直線で形を取っていきます。ここで特に注意したい点は顔の傾きです。顔の正中線を慎重に定めます。


「髭の男」と呼ばれるように、髭や髪の毛が非常に細かく複雑に彫られていますが、この段階では細部にとらわれずに、個々の形の大きな流れやアクセントのつながりを見つけ出すことが大切です。

斜めから光を当てて、影の面積の多いコントラストの強いセッティングにしてありますが、陰影を付ける前に、デッサンの基本である線で、形を徹底的に追っていきました。

影を付けていきます。

今回は影の面積が多いので、個々の形をモデリングする前に、暗部を一方方向からのハッチングで全体的に付けていました。

その後で、前後関係を考えながら形を一つひとつモデリングしていきます。




















「髭の男」 画用紙に鉛筆 (650×500)



約30時間かけて仕上がりました。

石膏の白さを表すための工夫をしながら、細かい形を丹念に描き表わしいるにも関わらず、全体的には硬くならずに自然な印象に近いデッサンになっています。石膏像の白さも十分出ています。

難を言えば、影の中の形の前後関係にちぐはぐな個所があります。これは描き方の問題だけではなく、線を描くのには適した鉛筆という画材が、明暗を付けるのに向いていないことにもよると思います。これを機会に表現と画材の関係も考えてみるとよいでしょう。








兎にも角にも石膏デッサンを始めて約半年でここまで描けるようになったのに驚いています。これからどんな作品を描いてくれるのか楽しみにしています。

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