2014年5月18日日曜日

裸婦デッサンの制作例

今回は、裸婦デッサンの制作過程を紹介します。言うまでもなくそのやり方にはさまざまありますので、その中の一つの例として参考にして頂ければと思います。使用した画材は、キャンソン社のミタント紙にチャコール鉛筆の白と黒です。


まずは、全体の形を線で大きく直線的に捉えていきます。ここで必要なのが、勘に頼らずに徹底的に図ることです。











E.VALTON 著
Methode pour dessiner.より
1889年
E.VALTON 著
Methode pour dessiner.より
1889年


腕をまっすぐに伸ばして鉛筆(または棒)を立てて片目で測るのが原則です。(左図)

また、垂直を取るには錘を付けたひもを使うと良いでしょう。(右図)


線で形が取れた状態です。この段階ではまだ陰影はつけていません。














形が決まってから影をつけていきます。現象的な影を追うのではなく、形のボリュームが出るように選択した影を置いていきます。











明部は白コンテ鉛筆で描き起こします。














ハッチングで置いてから、浮いた感じがしたら擦筆で押えます。















全体の繋がりの中に、個々の形とボリュームが明確に表れるようにモデリングをします。














裸婦デッサン (550×375)
人物デッサンは動くから難しいと思われがちですが、その本当の面白さは、微妙に動くモデルから美しい形やムーブマンや構造的つながりを探して、理想的な人体に組み立てていくところにあると思います。人体は石膏像や静物ではできない造形方法を学ぶ為にも、欠く事のできないモチーフです。


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