2014年3月14日金曜日

模写から自作へ

昨年ジョージ・ロムニーの模写をされたEさんが、その時と同じ技法を使って静物画を描かれたので紹介します。 模写の時のブログも参考に見て頂ければと思います。











ロムニー作「エマ・ハミルトンの肖像」
模写


また、モチーフを組むにあたっても、全体の色の配分をロムニーの作品と同じように考えてみました。


・いちご → 服の色  : テーマの色(トニック)
・テーブルクロスと水差し → 空と雲の色 : 統一色(ドミナント)
・背景の布とレモン → 木の葉、森 : 中間の色(メディアント)




始めにカッセルアースで、デッサンをとった後、明部をシルバーホワイトで描き起こします。

明暗が決まった後、固有色をつけていきました。



背景から仕上ていきます。パレット上では、できるだけ色を混色せず、下層のグレーを利用しながら、画面上での塗り重ねで狙った色をだしていきます。

主役のいちごは、バーミリオンとマダーレーキをベースに鮮やかさを保ちながら描き込んでいきます。


常にモチーフと見比べながら、影や反射光などの微妙な色合いの変化を追っていきます。














いちご F6号



絵具の本来持っている色の美しさを最大限に引き出した鮮やかな色調の絵で、これまでのEさんの絵にはなかったものです。模写で勉強された成果が表れた作品になりました。





「模写は個性を殺す」と言って否定される方もいますが、技術を学ぶ上ではとても有効な方法だと思います。










0 件のコメント:

コメントを投稿