2014年2月19日水曜日

ひまわりを描く

アトリエラポルトに来て頂いてから、花を描き続けているCさんが、今回は「ひまわり」に挑まれました。



「ひまわり」の絵ですぐに思い浮かぶのがゴッホの作品です。

左のゴッホの「ひまわり」における配色は、黄色を中心にした類似色によるハーモニーで、色相環上の黄色の位置から遠ざかるに従って黄>橙>緑>青と面積が小さくなるよいうにしています。

色相環

今回のCさんの配色は、「ひまわり}の黄色に補色の青色を対比させるハーモニーを選ばれました。この場合は、黄色と青色の強いコントラストに対して、それをつなぐ色相環上の間の緑色と、目を休ませるための無彩色(ここでは白)の組み合わせがポイントです。

本制作に入る前にキャンバスペーパーにエスキースを作って考えました。








エスキースで構図と配色が決まった後、キャンバスに木炭でモチーフを見ながら直接デッサンをとりました。



対象に近い色で木炭を押さえていきます。木炭と混ざってちょうどいい色になるようにします。


パレットには、黒やローアンバーやバーントアンバーなどの褐色系の絵具は置かず、印象派のように虹の色に近い絵具を並べています。


背景とひまわりの色から決めていきます。背景の青の中にもわずかに暖色のニュアンスを入れることで、自然な空間と色の響きが生まれます。


常に対象と見比べながら、ダイレクトペインティングの手法で描いていきました。













ひまわり F10号


約30時間かかって仕上がりました。
たっぷりと絵具を使いながら色の澱みが無く、発色の美しい絵になりました。生き生きとした筆触にのって作者の感動が伝わってくるようです。形や色の組み合わせも、とてもうまくいっていると思います。このような描き方は、一見簡単そうに見えますが実は非常に難しい技術です。Cさんはアトリエラポルトに来られてから、毎回モチーフを見ながらエスキースを作って配色や構図を考え、きっちりとデッサンをした後で制作に入る、という手順を繰り返してきたからこそ出来た作品だと思います。額装して部屋に飾っておきたい一品です。










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