2011年10月21日金曜日

ポール・セルジエの色彩論によって 5


描く側も教える側も試行錯誤を繰り返しながら、ようやく完成に至りました。

色の濁りがない発色のよい作品に仕上がったと思います。 また、パレット上の絵具を寒色と暖色に分けて扱うことによって、寒暖の対比が強く意識され、色彩効果の高い絵となりました。

セルジエのこの色彩方法は、実際に使ってみると、ドニに代表されるナビ派の表現を念頭に考えられているのが分かります。不透明な色を色面で置いったナビ派の画法には、セルジエのやり方はとても合理的です。反面、セルジエのグレーを混ぜると、どの色も不透明になり、油絵具の特徴である透明性を生かした描き方にはむきません。Yさんは、今までクラシックな技法をベースに描かれていたので、戸惑われたことと思いますが、結果的には充実した仕上がりになりました。今後の課題としては、対象をを整理したり、色面で構成するなどして、より明確な形と色彩の表現を追求していくことが上げられます。


























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