2011年6月1日水曜日

地震で破けた絵の修復 1

 当アトリエに通われているMさんは、自宅に掛けていたご自身の絵が、大震災の時に落ちて穴があいてしまいました。





 そこで、今回は破れたキャンバスの簡単な修復方法をお伝えします。

























用意するもの
  ・クラフト紙 ・ガーゼ ・麻布(絵と同じぐらいの折り目のもの) ・紙やすり(280番位)
  ・接着剤(蜜蝋 7+ダンマル樹脂 2+  エレミ樹脂 1) ・メノウ棒



1.机の上にクラフト紙を敷いて、絵の面を下にして置く。
ガーゼ・麻布・接着剤



2.破けた部分よりひと回り大きくガーゼと麻布を切る。




3.ガーゼと麻布の周りの糸を数本抜きほぐす。











4.破けたキャンバスの周囲に、紙やすり(280番位)
  をかける 




5.ほこりを払った後、ガーゼをあてるところに固形接着剤を塗りつけ、ガーゼを置きメノウ棒でこすると、摩擦熱で接着剤が溶けて着く。ガーゼは、絵のキャンバスと補強の麻布との間に挟まり、緩衝体となる
















6.張り付いたガーゼの上に再度接着剤を付け、接着する麻布の接着面にも塗りつける。ガーゼを被うように麻布を置き、再度メノウ棒で擦りつける。 




 これで、裏面からの傷の補強は終わります。大きくキャンバスが裂けてしっまた場合は、全面を裏打ちするしかありませんが、今回のように数センチの裂目や穴には、簡単で有効な方法です。
 
 次回は、表面からのリタッチについて、説明します。                      







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